21:5 ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。

21:6 「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」

 

現在では、エルサレムの神殿は残されておらず、ここに神殿があったという跡が残っているだけですが、ソロモンが建てた第1神殿も、それより幾分か規模を縮小してネヘミヤの時代に建てられた第二神殿も、また、イエス様がおられた当時、ヘロデ王によって改修工事がなされた神殿も素晴らしいものであったと思われます。

 

しかし、この時イエス様は、この神殿がやがて崩されることを預言なさいました。その言葉の通りに紀元70年にイスラエルはローマ帝国との戦いに敗れて、神殿も壊されてしまいました。それ以来、イスラエルの人々は、その地に住むことを許されず祖国を失い、世界の各地に離散することになりました。

 

それまでに住んでいた家も、職場も、住み慣れた地をも追われて、言葉も文化も異なる外国の地に移り、流浪の民となった人々の思いはどんなであったかと考えさせられます。

 

祈り

 

天の父なる神様、「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」(1コリント4:18)とありますように、どれほど見事なものだと思われるものも、見えるものはやがて過ぎ去っていく一時的なものです。いつまでも続くものに心を向けて歩み続けることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。