更に、既婚者に命じます。妻は夫と別れてはいけない。こう命じるのは、わたしではなく、主です。――既に別れてしまったのなら、再婚せずにいるか、夫のもとに帰りなさい。――また、夫は妻を離縁してはいけない。コリント人への手紙第一7:10-11
次に、すでに結婚した人々に命じます。命じるのは、私ではなく主です。妻は夫と別れてはいけません。もし別れたのだったら、結婚せずにいるか、それとも夫と和解するか、どちらかにしなさい。また夫は妻を離別してはいけません。

今日。夫などからのDV(ドメスティックバイオレンス)によって、被害に遭い、シェルターなどの避難所にて暮らしている方々も少なくありません。

行政の相談所では、この問題が多くを占めているのです。結婚はしたけれども、あまりにひどい暴力や暴言などのために、もはや一緒に暮らすことができないという相談をいただくことが、私のところにもあります。

 

今日の聖句は、「夫は妻を離婚してはならない」と言われています。これは当時、男性優位の社会にあって、女性の権利がほとんど認められておらず、男性の側からいとも簡単に離婚を申し出て、妻が窮地に陥るということが日常茶飯事のようにありました。例えば、食事がまずい、よく外出をする、言うことを聞かない、口答えをするなどの理由で夫から離婚されるということがよくありましたから、女性を守るためにこのように教えられたのです。

 

聖書の言葉を理解するためには、これが書かれた当時の時代背景を理解することも大切なことです。そうでないと、ただ教条的に「離婚はどんな理由があっても駄目だ」というように理解してしまうかもしれません。

前回も見たように、結婚は、神聖な奥義です。ですから結婚式の際にも二人が誓約を行って、生涯ともに歩むことを誓うのです。

 

結婚した夫婦は、離婚しないで互いに愛し合って共に生きることが大切であることは言うまでもありませんが、その夫婦や家庭の状況によっては、前述のようにあえて夫婦を引き離して、連絡もできないようにして、妻の再出発を助けることも重要であることを思わされています。

 

神の御心は、真実の意味で、神が私たちを愛してくださったように互いに愛し合うことなのですから、そのことが行われるためにより良き道を模索していくことになるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、人を男性と女性に創造し、互いに愛し合い、補い合って家庭を作ることができるように、お導き下さる恵みを感謝いたします。今日、多くの家庭が破綻していたり、夫婦関係が希薄になってしまっていることを思わされていますが、あなたのまえにへりくだり、相手を尊重し、愛し合う関係を築いていくことができますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。