20:20 そこで、機会をねらっていた彼らは、正しい人を装う回し者を遣わし、イエスの言葉じりをとらえ、総督の支配と権力にイエスを渡そうとした。

20:21 回し者らはイエスに尋ねた。「先生、わたしたちは、あなたがおっしゃることも、教えてくださることも正しく、また、えこひいきなしに、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。

20:22 ところで、わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」

 

19節には、「律法学者たちや祭司長たちは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスに手を下そうとしたが、民衆を恐れた。」と言われています。彼らにとってイエス様は目の上のたんこぶのようなもので、目障りだから早いうちに抹殺してしまいたいと思ったようです。

 

けれども、多くの民衆たちはイエス様を神によって遣わされた者だと考えて慕っていましたので、民衆を恐れて手出しをすることは出来ませんでした。

 

そこで、イエス様を陥れる口実を作ろうと思ったのです。回し者を遣わして、「わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」と尋ねさせたのです。

 

この質問は、「皇帝に税金を納めなさい」といえば、イスラエルの民衆からの支持を失うことになりますし、「皇帝に税金を納めなくてもよい」と言えば、ローマ帝国からの反感をかうことになります。いずれにしても、窮地に陥れられると考えての質問でした。

 

この質問に対して、イエス様は、さすがと思われる返答をなさるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、当時の宗教及び政治的な指導者である祭司長・律法学者たちは、如何にしてイエスを亡きものとするかについて相談し、それを実行に移すようになっていました。この世の権力者たちが、自らの保身のために邪魔になるものを排除しようとする姿は昔も今も変わっていませんが、あなたはすべてをご存知であり、最終的には悪を裁き、救いを完成してくださいます。神の国とその義とを第一に求めて生きる者とならせてください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。