10:9 翌日、この三人が旅をしてヤッファの町に近づいたころ、ペトロは祈るため屋上に上がった。昼の十二時ごろである。
10:10 彼は空腹を覚え、何か食べたいと思った。人々が食事の準備をしているうちに、ペトロは我を忘れたようになり、
10:11 天が開き、大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、地上に下りて来るのを見た。
10:12 その中には、あらゆる獣、地を這うもの、空の鳥が入っていた。
10:1 そして、「ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい」と言う声がした。
10:4 しかし、ペトロは言った。「主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物は何一つ食べたことがありません。」
10:15 すると、また声が聞こえてきた。「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」
10:16 こういうことが三度あり、その入れ物は急に天に引き上げられた。
ペトロが祈るために屋上に上っていた時、空腹を覚えましたが、天が開き、大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、地上に下りて来るのを見ました。
四隅でつるされた風呂敷のようなものの中には、「あらゆる獣、地を這うもの、空の鳥が入って」いて、「ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい」という声が聞こえたのです。
レビ記11章には「清いものと汚れたものに関する規定」が記されていますが、例えば次のように記されています。「11:2 イスラエルの民に告げてこう言いなさい。地上のあらゆる動物のうちで、あなたたちの食べてよい生き物は、 11:3 ひづめが分かれ、完全に割れており、しかも反すうするものである。 11:4 従って反すうするだけか、あるいは、ひづめが分かれただけの生き物は食べてはならない。らくだは反すうするが、ひづめが分かれていないから、汚れたものである。・・・11:41 地上を這う爬虫類はすべて汚らわしいものである。食べてはならない。 11:42 すなわち、腹で這うもの、四本ないし更に多くの足で歩くものなど、地上を這う爬虫類はすべて食べてはならない。汚らわしいものである。 11:43 あなたたちはこれらすべての爬虫類によって自分自身を汚らわしいものとしてはならない。これらによって汚れ、それによって身を汚してはならない。」(レビ記11章)
食べ物をこのように吟味しながら食べることはなかなか難しそうですが、ユダヤ人たちは汚れた動物を食べてはならないというおきてに従って、汚れた動物を食べなかったのです。ペトロもそれは同じことでしたが、神様は、「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」と言われて、どのような動物をも神は清めて下さっていることを示されたのです。
祈り
天の父なる神様、旧約の時代、イスラエルは清められた動物のみを食べ、清められた動物のみを犠牲としてささげることを教えられており、そのようにして自らを聖別することを求められていましたが、新約の時代には、すでにイエス・キリストによる全き犠牲が捧げられ、旧約の律法が成就されましたので、もはや動物の犠牲をささげる必要はなくなりました。また、汚れたといわれていた動物をも神は清めてくださいましたので食べることができるようになりました。そしてユダヤ人と異邦人という民族的な区別によって清い人と汚れた人を区別することもなくなったのです。イエス・キリストによってすべての人が清められることができるのです。イエス様の恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。