偽りの天秤を主はいとい/十全なおもり石を喜ばれる。

高慢には軽蔑が伴い/謙遜には知恵が伴う。

戦争をする時にその兵隊たちに教育するときに、相手(敵)の国の人たちがいかに酷い人たちであり、人間の屑のような者であるのかを教え込まれるのだそうです。日本でもかっての戦争中には「鬼畜米英」といわれて、アメリカやイギリスの人たちは鬼畜であるかのようなイメージが作られました。

これは相手の国からすれば、相手に対して同様のことが行われていたことでしょう。このように人間の評価というものはその人が生まれた国や時代によって随分動かされてしまう者のように思われます。「偽りの天秤」というのは、このように移ろいやすい人間の評価から生まれてくるものです。

私たちは神によって、神のかたちに似せて創造されたのですから、生まれながらに(それがどのような国や時代に生きた人であろうと、境遇や性別、障害のあるなしなどによって区別されないで)尊ばれる存在なのです。それが今では「基本的人権の尊重」という形で表現されています。

自分はダメな人間だと卑下する必要はありません。しかし、逆に自分を高く上げて他の人を見下すような高慢にも問題があります。キリストもへりくだって人として生まれてくださり、人に仕える者として生涯を歩んだ下さったように、私たちも主に倣うものでありたいと思います。

祈り

天の父なる神様、あなたが一人一人のいのちを尊んで下さるように,私たちも一人の人を尊ぶことが出来ますように。クリスマスの恵みを覚えながら、主イエスの誕生を心から喜ぶものとならせてください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。