18:28 ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。
18:29 仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。
18:30 しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。
18:31 仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。
18:32 そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。
18:33 わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』
18:34 そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。
18:35 あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」
家来は主君の恵みによって、何十億もの借金を返さなくてよくなりました。その家来が主君の家から外に出ると、自分に百デナリオンの借金をしている仲間の僕に出会います。「百デナリオン」は、現代のお金にすれば100万円ぐらいで、主君から帳消しにしてもらった何十億円に比べれば、ほんのわずかな金額です。
この家来は、仲間の僕の首を絞め、「借金をかえせ」と言ったのです。仲間の僕はひれ伏して、「どうか待ってくれ。返すから」としきりに頼みました。この仲間の僕の姿は、先程の家来そっくりなわけですが、家来は承知しませんでした。その仲間の僕を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れたのです。
他の仲間の僕たちは、このことに非常に心を痛め、事の次第を残らず主君に告げました。そこで、主君は、その家来を再び呼びつけてこう言ったのです。「不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか」。そして、主君は家来が仲間の僕にしたように、借金をすっかり返済するまで、家来を牢役人に引き渡したのです。
主君はこの家来に対して、「わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか」と言いました。私たちはこのたとえ話を聞いて、主君の言うとおりだと思うのではないでしょうか。「そうだ、憐れんでやるべきだ」と思います。
しかし、実際に、自分に対して罪を犯した兄弟姉妹を目の当たりにすると、そのことを忘れてしまうのではないでしょうか?主にある兄弟姉妹は、私たちがイエス・キリストにあって、すべての罪を赦された僕仲間です。「教会は主君から一万タラントンの借金を帳消しにしていただいた僕仲間の集まり」なのです。そのことを忘れるとき、私たちは仲間の僕のささいな罪を赦すことができなくなってしまいます。
祈り
天の父なる神様、私たちがあなたによって1万タラントもの借金を赦していただいた僕仲間であることを覚えて、一人一人の罪を赦すことが出来ますようにお守りくださりお導きください。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。