12:37 イスラエルの人々はラメセスからスコトに向けて出発した。一行は、妻子を別にして、壮年男子だけでおよそ六十万人であった。
12:38 そのほか、種々雑多な人々もこれに加わった。羊、牛など、家畜もおびただしい数であった。
12:39 彼らはエジプトから持ち出した練り粉で、酵母を入れないパン菓子を焼いた。練り粉には酵母が入っていなかった。彼らがエジプトから追放されたとき、ぐずぐずしていることはできなかったし、道中の食糧を用意するいとまもなかったからである。
12:40 イスラエルの人々が、エジプトに住んでいた期間は四百三十年であった。
12:41 四百三十年を経たちょうどその日に、主の部隊は全軍、エジプトの国を出発した。
12:42 その夜、主は、彼らをエジプトの国から導き出すために寝ずの番をされた。それゆえ、イスラエルの人々は代々にわたって、この夜、主のために寝ずの番をするのである。
イスラエルがエジプトを脱出するときがきました。「一行は、妻子を別にして、壮年男子だけでおよそ六十万人であった。」と言われています。壮年男子の中には、子供やお年寄りは含まれていませんから、女性や子供を入れると200万人以上の人たちがエジプトを出たと考えられます。
430年ものエジプトでの生活の中で、何代も世代が変わりました。イスラエルの人々は自分たちが目指すべき地、住むべき地は神に約束されたカナンの地であるという意識はかなり失われていたのではないかと思われます。そればかりでなく奴隷としての生活を強要される中で、神に礼拝を捧げることも、祈ることも忘れて来ていたのではないかと思われます。
出エジプトの出来事は、改めて彼らが神の民とされているということの自覚を与えるものとなったことでしょう。しかし、これまでのエジプトでの生活に慣れ親しむことによって、神に従うよりもエジプトでの生活を懐かしむ思いを持つ人たちも少なくありませんでした。
祈り
天の父なる神様、430年に及ぶエジプトでの暮らしによって、イスラエルの人々は、アブラハム以来の神の約束を教えられてはいたと思いますが、エジプトの奴隷となっていた期間も長く続きましたから、やがて神がこの状態から救い出してくださるということへの現実味はかなり失われていたのではないでしょうか。しかし、あなたが約束してくださったことは必ず実現してくださるということを教えられました。どれほど罪の力がこの世に強くあろうとも、自分自身の無力と弱さを感じることがあろうとも、あなたが救い出してくださることへの信仰を確かに持って生きる者とならせてください。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。