9:15 イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。しかし、花婿が奪い取られる時が来る。そのとき、彼らは断食することになる。
イエス様は、「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか」と言われました。婚礼の時は歓喜の時、喜びの時ですから悲しみの表現である断食をすることはできないのです。実際、ユダヤの社会において、婚礼の祝いに出席する者は、断食する義務を免れたと言われています。ユダヤでは、一週間もの間、披露宴が続き、食事やぶどう酒が振る舞われ盛大なお祝いがなされたのです。
イエス様は、御自分を「花婿」に、弟子たちを「婚礼の客」に譬えておられます。ここには、イエス様が「御自分こそ、来るべき方、救い主、メシアである」という主張があります。ヨハネの弟子たちの先生であるバプテスマのヨハネは、「わたしの後から来る方は、わたしより優れておられる。わたしは、その履物をお脱がせする値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる」と言いました(3:11)。
その来るべき方が、すでに来ておられるのです。救い主、メシアの祝宴はすでに始まっているのです。ですから、婚宴に譬えられるメシアの祝宴に列席している弟子たちは、悲しむこと、断食することができないのです。
イエス様は、この地上で罪を赦す権威を持つ、罪人を招くために来られたメシア、救い主が来られたのであれば、イエス・キリストとの交わりにあずかること、その福音の恵みに与ることがふさわしいあり方なのです。
祈り
天の父なる神様、あなたのみ言葉に聞き、あなたの恵みのうちを歩み続けることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。