13:31 イエスは、別のたとえを持ち出して、彼らに言われた。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、
13:32 どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる。」
旧約聖書において、神の王国、神の王的支配は、主の日の到来において神の裁きと救いが同時に実現するものと考えられていました。ですから、イエス様の弟子たちも含めたユダヤ人たちは、やがて来るメシアは、異邦人の支配者たちを滅ぼし、ユダヤ人たちによる神の国をもたらすと考えていたようです。
けれども、2000年前に来られたイエス様はそのご生涯において力をもってローマ帝国の権力者たちを蹴散らしてイスラエルを解放してくださるようには思われませんでした。それで多くのユダヤ人たちはイエス様に失望したのです。
イエス様において確かに神の国は到来したのですが、到来した神の国はからし種のように小さいものとして、パン種のように隠されているものとして到来したのです。
「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる」。
イエス・キリストによってもたらされた神の国は、その後世界中の人々に伝えられ、今もこれからも広がっていき、やがては大きな実を実らせるものとなるのです。
祈り
天の父なる神様、神の国がからしだねのように成長し、大きな実りを見せるように、私たちの心の内にも神の国が、神の支配が豊かに訪れますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。