28:9 すると、イエスが行く手に立っていて、「おはよう」と言われたので、婦人たちは近寄り、イエスの足を抱き、その前にひれ伏した。
28:10 イエスは言われた。「恐れることはない。行って、わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる。」
婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行きました。イエス様が死者の中から復活された。ガリラヤで再びお会いすることができる。この良き知らせを、弟子たちに伝えようと婦人たちは走って行ったのですが、思いがけないことが起こります。復活されたイエス様が行く手に立っていて、「おはよう」と言われたのです。
ここで「おはよう」と訳されている元の言葉は、「喜びなさい」という言葉です。ローマ・ギリシャ世界では、「喜びなさい」と挨拶を交わしておりました。それで、新共同訳聖書は朝の挨拶の言葉として、「おはよう」と訳したのです。
復活されたイエス様が、いつものように「おはよう」と親しく挨拶してくださったことも感慨深いことですが、「喜びなさい」と言われたことも意味深い言葉ですね。死者の中から復活されたイエス様が婦人たちに語られた最初の言葉は、「喜びなさい」という言葉だったのです。
それは、イエス様の復活が弟子である彼女たちの先取りとしての復活であるからです。使徒パウロは、「キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました」と記しました(一コリント15:20)。イエス様は御自分の民である私たちに先立って、その保証として復活してくださったのです。復活されたイエス様が、弟子である私たちに、「喜びなさい」と言われるのは、私たちもイエス様と同じように復活させられるからであるのです。イエス様の復活を喜ぶことは、その弟子である私たち自身の復活を喜ぶことでもあるのです。
祈り
天の父なる神様、最初に復活のイエス・キリストに出会うことが出来たのは弟子の女性たちでした。目の前に復活のイエス・キリストに出会うことが出来た彼女たちはどれほどの喜びと慰め、希望を与えられた事でしょうか。あなたの恵みが私たちにも与えられていることを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。