8:19 そのとき、ある律法学者が近づいて、「先生、あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言った。

 8:20 イエスは言われた。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」

 

イエス・キリストと弟子たちが、群衆から離れて、ガリラヤ湖の向こう岸に行こうとしたとき、ある律法学者が近づいて、「先生、あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言いました。

 

「律法学者」とは、律法を研究して民衆に教える専門家です。当時のユダヤ社会において、指導的な立場にあった者です。その律法学者が、イエス様に近づいて、弟子になりたい。イエス様を律法の教師、ラビとして教えていただきたいと願ったのです。

 

この時のイエス様の答えは、「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」というものでした。この律法学者は、イエス様が優れた律法の教師であることを知って、イエス様に学ぶことで、さらに功名を博することを考えていたのではないでしょうか。

 

そのような律法学者の思いを見抜いて、「わたしに従うとは、枕する所もない放浪生活をすることであって、安定した生活を保障する道ではない」ことをきっぱりと言われたのです。

 

イエス様は、神の国の福音を宣べ伝えながら、また、民衆のあらゆる病を癒しながら、イスラエル中を巡る旅を続けられたのです。「人の子には枕する所もない」と言われるほどに、休みなく働かれたのでした。

 

祈り

 

天の父なる神様、キリストに従うということは、イエス様が私たちの先に立って歩んでいかれる、その後に従っていくことです。その歩みは決して平たんなものではありませんが、主がともにおられる歩みです。あなたの恵みのうちを歩み続けることが出来ますように。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。