27:19 一方、ピラトが裁判の席に着いているときに、妻から伝言があった。「あの正しい人に関係しないでください。その人のことで、わたしは昨夜、夢で随分苦しめられました。」
27:20 しかし、祭司長たちや長老たちは、バラバを釈放して、イエスを死刑に処してもらうようにと群衆を説得した。
27:21 そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、人々は、「バラバを」と言った。
ピラトが裁判の席に着いているときに、妻から伝言がありました。それは、「あの正しい人に関係しないでください。その人のことで、わたしは昨夜、夢で随分苦しめられました」というものです。ここではイエス様が「あの正しい人」と言われています。
ピラトの妻は昨夜見た夢によって、このことを神様から示されたのです)。異邦人であるピラトの妻は、夢で神様のお告げを受けて、イエス様を正しい人と呼ぶびました。最高法院の議員たちが罪に定めたイエス様を、正しい人と言うのです。
ピラトは、最高法院の議員たちがイエス様を引き渡したのは、彼らのねたみのためであり、民衆は、イエス様の釈放を願っていると考えていました。しかし、祭司長たちは、バラバを釈放して、イエス様を死刑にしてもらうようにと群衆を説得したのです。
最高法院の議員たちは、民衆に、イエス様が偽のメシアであり、神を冒瀆する者であると言ったのでしょう。最高法院の決定は神の名による決定であり、神の意志として受け止められておりました。そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、民衆は「バラバを」と答えたのです。
祭司長たちや長老たちに説得された群衆は、メシアと言われるイエスではなく、暴動のとき人殺しをして捕らえられていたバラバ・イエスを選んだのでした。ここにも、当時の人々の救いについての考え方がよく表れています。群衆は、バラバ・イエスをあたかもユダヤ民族の自由のために戦った英雄のように見なして、彼の釈放を要求したのです。
祈り
天の父なる神様、イエス・キリストの誕生を記念するクリスマスを迎える季節です。天使が「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」とヨセフに告げたように、私たちを罪から救って下さる救い主の誕生を心より感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。