7:18 それは、ヨセフのことを知らない別の王が、エジプトの支配者となるまでのことでした。
7:19 この王は、わたしたちの同胞を欺き、先祖を虐待して乳飲み子を捨てさせ、生かしておかないようにしました。
7:20 このときに、モーセが生まれたのです。神の目に適った美しい子で、三か月の間、父の家で育てられ、
7:21 その後、捨てられたのをファラオの王女が拾い上げ、自分の子として育てたのです。
7:22 そして、モーセはエジプト人のあらゆる教育を受け、すばらしい話や行いをする者になりました。
やがて、ヨセフのことを知らない別の王が現れるようになると、この王は、先祖を虐待して、乳飲み子を捨てさせ、生かしておかないようにしました。出エジプト記には、ヨセフを知らない新しい王が、次のように警告したと記されています。「イスラエル人という民は、今や、我々にとってあまりに数多く、強力になりすぎた。抜かりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない。」
そのような危機意識から、エジプト人は、イスラエル人に強制労働を課して虐待したのです。しかし、それでも彼らは増え広がったので、「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め」と乳飲み子の殺害を命じたのです。子孫がことごとく殺されてしまうことは、民族存亡の危機でした。そして、そのような時に、モーセが生まれたのです。
モーセは神の目に適った美しい子で、三か月の間、父の家で育てられましたが、もはや隠しきれなくなり、ナイル河畔の葦の茂みの間に置かれました。そして、そのモーセをエジプトの王ファラオの王女が見つけて、この子を育てようと拾い上げたのです。
彼女はモーセを自分の子として育てたと記されていますが、出エジプト記を見ると、その子の姉が、王女に「この子に乳を飲ませるヘブライ人の乳母を呼んできましょうか」と申し出て、その子の実の母が、乳母として、その子が大きくなるまで引き取ったと記されています。
このような不思議な神様の導きによって、モーセは殺されることなく、乳離れする3歳頃までイスラエル人としての父の家でイスラエル人としての教育を受けることができたのです。そして、王女の家に迎え入れられると、エジプト人のあらゆる教育を受け、すばらしい話や行いをする者となったのです。
このようにして、「あなたの子孫は外国に移住し、虐げられる」という預言が実現し、また「あなたの子孫はわたしが救い出す」という神の約束がモーセの誕生と成長によって、着々と準備されていったのです。
祈り
天の父なる神様、かつてイスラエルの人々はエジプトの奴隷として働かされるようになりましたが、そのような民族の存亡にかかわる危機を迎えた時に神は、モーセという人物を起こして、イスラエルの人々を救い出そうとされました。このような摂理の御業をもって、私たちをも支え導いてくださる恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。