1:8 兄弟たち、アジア州でわたしたちが被った苦難について、ぜひ知っていてほしい。わたしたちは耐えられないほどひどく圧迫されて、生きる望みさえ失ってしまいました。

 

アジア州というのは、小アジアと言われていた地域で、今のトルコ共和国があるあたりになります。「アジア州でわたしたちが被った苦難」というのは、パウロがエフェソにいた時に起きた出来事のことではないかと思われます。

 

これは、使徒言行録19章21節以下に記されている出来事です。ここでエフェソの銀細工人であるデメテリオという人が次のようにパウロを訴え出たことが記されています。

 

「デメトリオという銀細工師が、アルテミスの神殿の模型を銀で造り、職人たちにかなり利益を得させていた。彼は、この職人たちや同じような仕事をしている者たちを集めて言った。「諸君、御承知のように、この仕事のお陰で、我々はもうけているのだが、諸君が見聞きしているとおり、あのパウロは『手で造ったものなどは神ではない』と言って、エフェソばかりでなくアジア州のほとんど全地域で、多くの人を説き伏せ、たぶらかしている。これでは、我々の仕事の評判が悪くなってしまうおそれがあるばかりでなく、偉大な女神アルテミスの神殿もないがしろにされ、アジア州全体、全世界があがめるこの女神の御威光さえも失われてしまうだろう。」

 

この訴えによって群衆の暴動が起こり、パウロは生命の危機をも感じるようになりこの町にいられなくなってしまったのでした。

 

祈り

 

イエス・キリストに従おうとする者に対して、サタンは執拗に攻撃し、迫害に至ることもあります。この世の多くの人々が、そして被造物も疲弊し、苦しみうめいているという状況が今も続いています。「主よ、来てください」という祈りが生まれてきます。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。