27:55 またそこでは、大勢の婦人たちが遠くから見守っていた。この婦人たちは、ガリラヤからイエスに従って来て世話をしていた人々である。
27:56 その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。

イエス様の十字架の死の出来事を、大勢の婦人たちが遠くから見守っていました。この婦人たちは、ガリラヤからイエス様に従って来て世話をしていた人々でした。イエス様と一緒に旅をしてきた弟子たちの中には、12人に代表される男の弟子だけでなく、婦人の弟子たちもいたのです。

この婦人の弟子たちは、イエス様と12人の身の回りのお世話をして、仕えていたのだろうと思われます。具体的に言えば、食事の用意などをしていたのだと思います。その大勢の婦人たちが、遠くからイエス様が十字架の上で死なれたことを見守っていたのです。

その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がおりました。「マグダラのマリア」は、ここで始めて出てきます。ルカ福音書によれば、マグダラのマリアは、イエス様によって七つの悪霊を追い出していただいた女性でした(ルカ8:2)。

「ヤコブとヨセフの母マリア」は、イエス様の母マリアのことです。13章に、イエス様が故郷のナザレで受け入れられないというお話が記されていましたが、その55節にはこう記されておりました。「この人は大工の息子ではないか。母親はマリアといい、兄弟はヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではないか」。

イエス様の弟にはヤコブとヨセフがおりました。それで、ヤコブとヨセフの母マリアとはイエス様の母マリアのことであると考えられるのです。「ゼベダイの子らの母」は、ゼベダイの子ヤコブとヨハネの母でありますが、彼女は、イエス様に、「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください」と願い出たことがありました。

このように、イエス様の十字架の死を見守ったのは、男の弟子たちではなく、女の弟子たちだったのです。

祈り

天の父なる神様、イエス・キリストの十字架の死と葬り、そして最初に復活の主に出会ったのは女性の弟子たちでした。それは、イエス様を否んで逃げ出してしまった男性の弟子たちとは対照的でした。クリスマスはインマヌエルの恵みを教えるものですが、どのような時にも主にお仕えしたいという弟子たちの思いを育て導いてくださる恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。