11:31 それと同じように、彼らも、今はあなたがたが受けた憐れみによって不従順になっていますが、それは、彼ら自身も今憐れみを受けるためなのです。
11:32 神はすべての人を不従順の状態に閉じ込められましたが、それは、すべての人を憐れむためだったのです。
11:33 ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。だれが、神の定めを究め尽くし、神の道を理解し尽くせよう。
11:34 「いったいだれが主の心を知っていたであろうか。だれが主の相談相手であっただろうか。
当時ユダヤ人は、異邦人を神を知らない穢れた人たちであると考えていました。そのため異邦人もまたユダヤ人に対して、あまり近づこうとしない風潮があったようです。
ところが、イエス・キリストを信じる人たちの群れである教会は、そのような分け隔てをなくし、ともに礼拝をささげ、民族や境遇が違っていても同じ兄弟姉妹として受け入れていきました。
ユダヤ人と異邦人の間には、目に見えない壁が出来ているような状態にありましたが、神は双方に働きかけて同じ神を信じて生きる群れを作ってくださったのです。不従順であったり、かたくなであった者たちが、共に和解し赦しあい、愛し合って生きると言う共同体が、教会という形で神によって生み出されていきました。「神の富と知恵と知識のなんと深いことか。」とパウロは感嘆の言葉を述べていますが、彼自身、ファリサイ派であったころの自分が、異邦人とも互いに愛し合うようになったことを喜んでいるのです。
祈り
天の父なる神様、敵対していたものが互いに和解し、互いに愛し合うようになることを教えられていますが、人間の罪のために、憎しみを抱いたり争いあったりすることが今もなお続いています。真実の意味で平和がもたらされることを願い、その実現のために働くことが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。