28:18 イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。

イエス様は弟子たちに近寄って来てこう言われました。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている」。この御言葉の前提には、「神様こそが天と地の一切の権能をお持ちのお方だ」という考え方があります。

父なる神様によって復活させられたイエス様は、神様によって天と地の一切の権能を授けられました。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている」。このイエス様の御言葉の背景には、旧約聖書のダニエル書7章の預言があります。ダニエル書7章13節と14節には、「夜の幻をなお見ていると、見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り/「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み/権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え/彼の支配はとこしえに続き/その統治は滅びることがない。」と言われています。

ここには、人の子のような者が、「日の老いたる者」(神様)から、権威、威光、王権を受けたと記されています。この幻は、復活されたイエス様において実現したのです。かつて、イエス様は、最高法院での裁判において、次のように言われました。「あなたがたはやがて、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に乗って来るのを見る」(マタイ26:64)。

このイエス様の御言葉も、ダニエル書7章の預言を背景としていたわけですが、イエス様が天と地の一切の権能を授けられたことは、言い換えれば、全能の神の右に座られたということであります。王の右の座は、王と共に支配する皇太子がすわる座でありますから、神様から天と地の一切の権能を授けられたということは、神様の右の座に着かれたことを意味しているのです。つまり、復活されたイエス様の御言葉、「わたしは天と地の一切の権能を授かっている」という御言葉は、かつてイエス様が最高法院の議員たちに言われたとおり、イエス様が全能の神の右にお座りになったということを意味しています。

祈り

天の父なる神様、私たちのために人として生まれ、十字架にかかって罪を贖い、よみがえられて天と地の一切の権能を授かっているイエス・キリストが、私たちとともにおられることはなんと大きな慰めでしょうか。今日もあなたの御手のうちに守られ支えられてこの一日を生きられることを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。