15:9 主は言われた。「三歳の雌牛と、三歳の雌山羊と、三歳の雄羊と、山鳩と、鳩の雛とをわたしのもとに持って来なさい。」
15:10 アブラムはそれらのものをみな持って来て、真っ二つに切り裂き、それぞれを互いに向かい合わせて置いた。ただ、鳥は切り裂かなかった。
15:11 禿鷹がこれらの死体をねらって降りて来ると、アブラムは追い払った。
15:12 日が沈みかけたころ、アブラムは深い眠りに襲われた。すると、恐ろしい大いなる暗黒が彼に臨んだ。
神はアブラムに、「わたしはあなたをカルデアのウルから導き出した主である。」と言われました。はたから見れば、アブラムが自分で決断してここまでやってきたように見えますが、彼の心に働き、彼に信仰を与え、彼をここまで導いてくださったのは神であると言われるのです。
9節以下に記されていることは、古代の儀式凍結の一つの形式だと考えられています。雌牛、雌山羊、雄羊、山鳩などが半分に切り裂かれ、互いに向かい合わせにされておかれます。そして契約の当事者は、割かれた動物の間を通り、もしも契約を破ったなら私はこのように切り裂かれてもかまわないという命がけの契約を結ぶのです。
そのような状態にすれば、禿鷹がこの死体を狙って降りてくるようになります。アブラハムは、それを追い払うのですが、非常に疲れたのでしょう。日没近くになると彼は眠り込んでしまうのです。神がアブラハムを眠らせたと言えるでしょう。
祈り
天の父なる神様、あなたはアブラムを選び、彼をカルデアのウルから導き出して、カナンの地(約束の地)を与えてくださいました。信仰によって与えられる地(約束の地)は、新約聖書においては神の国、永遠の命と表現されていますが、これはあなたが人類と契約を結び、その約束に基づいて独り子イエス・キリストをお遣わしになることにおいて、私たちの内にも実現しているものです。祝福の約束を覚えてあなたの恵みに応える働きをすることが出来ますように。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。