23:2 すると、大祭司アナニアは、パウロの近くに立っていた者たちに、彼の口を打つように命じた。
23:3 パウロは大祭司に向かって言った。「白く塗った壁よ、神があなたをお打ちになる。あなたは、律法に従ってわたしを裁くためにそこに座っていながら、律法に背いて、わたしを打て、と命令するのですか。」
23:4 近くに立っていた者たちが、「神の大祭司をののしる気か」と言った。
23:5 パウロは言った。「兄弟たち、その人が大祭司だとは知りませんでした。確かに『あなたの民の指導者を悪く言うな』と書かれています。」
パウロが最高法院に連れていかれたとき、「大祭司アナニアは、パウロの近くに立っていた者たちに、彼の口を打つように命じ」ました。本来ならパウロの言い分をそのままに十分に聞くことが必要であるはずなのに、パウロが発言することを封じようとしたのです。
それに対して、パウロは、「白く塗った壁よ、神があなたをお打ちになる。あなたは、律法に従ってわたしを裁くためにそこに座っていながら、律法に背いて、わたしを打て、と命令するのですか。」と言いました。
主イエスは、ユダヤ人の宗教指導者たちに対して、「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。」(マタイ23:27)と言われました。パウロも同じような表現をしています。
彼はこの相手が大祭司であるとは知りませんでしたが、大祭司であれ、どのような地位にある人であれ、彼らの罪を指摘し、悔い改めを求めることを主イエスもパウロもここでしていることが分かります。
使徒の働き18章9節で、主はパウロに「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。
」と言われました。最高法院においても、パウロは大胆にイエス・キリストに福音を宣べ伝えようとしているのです。
祈り
天の父なる神様、あなたが私たちのためにしてくださった救いの御業を多くの人々は理解しようとせず、かえって迫害されることもありますが、主イエスが大きな代償を払って与えてくださった救いは、すべての人に必要なものです。幼子のような素直な心であなたの御業を受け止めることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。