1:10 さて、兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストの名によってあなたがたに勧告します。皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。

 

コリント人への手紙には、教会の中に起こってきた様々な問題が記されていて、読む人を戸惑わせたり躓かせたりするという面があるかもわかりません。

 

それはこの書簡だけのことではなくて、旧約聖書も新約聖書も罪ある人間の有様がそのまま記されていて、神の民と言われる人たちにもさまざまな問題を抱えつつ暮らしていたことが分かります。むしろ問題を持つ人間であるからこそ神による救いを必要としているのです。

 

聖書は、教会を何の問題もない理想的な共同体であるというようには記していません。聖書を読むと、昔の人も今の人も本質的には同じ人間の姿であることを教えられます。世にある伝記のような者とは違って、聖書は人間のありのままの姿を記し、そこに働かれる神の恵みを記しているのです。

 

「勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。」という勧めがありますが、国籍が違い、民族が違い、時代が違う人たちが、心を一つにして神の御心を求めて生きるようになるのは、神の導きによる以外にはないのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、「勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。」と言われているように心を一つにする共同体を作っていくことが出来るのは、あなたの導きがなければできないことです。神によって集められ、神によって導かれる信仰共同体が、真実にあなたの御心に生きることが出来るようにお導きください。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。