26:1 イエスはこれらの言葉をすべて語り終えると、弟子たちに言われた。
26:2 「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」
いよいよ26章になりました、ここからは十字架の死と復活の出来事が記されていく、マタイによる福音書のいわばクライマックスとなります。マタイは、十字架の死と復活の物語を、イエス様の御言葉から書き始めます。「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架に付けられるために引き渡される」。
イエス様はこれまでにも三度、御自分の苦難の死について予告してこられました。20章17節から20節には次のように記されておりました。「イエスはエルサレムへ上って行く途中、十二人の弟子だけを呼び寄せて言われた。『今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は、祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して、異邦人に引き渡す。人の子を侮辱し、鞭打ち、十字架につけるためである。そして、人の子は三日目に復活する』」。
このように、イエス様は御自分が十字架につけられるために引き渡されることを予告していたわけですが、今日の御言葉では、そのことが「過越祭」と結び付けられて言われています。イエス様が十字架につけられるのは過越祭においてなのです。
イエス様が他の日ではなく、過越祭に十字架に引き渡されるのは、過越祭においてほふられる小羊がイエス様の贖いを指し示すものだからです。イエス様は、世の罪を取り除く神の小羊として、過越祭のときに、十字架のうえでほふられるのです。
祈り
天の父なる神様、十字架に向けて歩んでこられたイエス・キリストは、父なる神の御心を果たすために、このことを弟子たちにも告知されました。過ぎ越しの祭りによって示されていたことが、イエス・キリストによって実現すると言うあなたの救いの御業を感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。