26:20 夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。
26:21 一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」
26:22 弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。

過ぎ越しの食事の最中に、イエス様はこう言われました。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている」。ここで「裏切る」と訳されている言葉は、「引き渡す」とも訳すことができます。

イエス様は、エルサレムに上って行く途中、十二人の弟子たちに、「今、わたしはエルサレムへ上って行く。人の子は祭司長たちや律法学者たちに引き渡される」と言われました。そして、今、イエス様は、御自分を祭司長たちや律法学者たちに引き渡す者が、あなたがた十二人の中から出て来ると言われるのです。

人の心をご存じであるイエス様は、だれが自分を裏切ろうとしているかをご存じでした。私たちはすでに、この福音書の終わりまでを読んでおりますので、その一人がイスカリオテのユダであることを知っているわけですが、他の弟子たちは知りません。それで、弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めたのです。それほど、イエス様の発言は弟子たちに衝撃をもたらす言葉でした。

祈り

天の父なる神様、イエス様がお選びになった12人の弟子たちのうちのひとり、イスカリオテのユダがイエス様を裏切り、このことによって一気に捕らえられ十字架につけられるという道筋がつけられました。実際にはイエス様が捕らえられる時、他の弟子たちも逃げ出してしまったので、イエス様はすべての弟子たちに裏切られたということも出来ます。この苦しみ、痛みを知りながら私たちの罪の責任を引き受けてくださった事を感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。