27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。
27:27 それから、総督の兵士たちは、イエスを総督官邸に連れて行き、部隊の全員をイエスの周りに集めた。
27:28 そして、イエスの着ている物をはぎ取り、赤い外套を着せ、
27:29 茨で冠を編んで頭に載せ、また、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。
27:30 また、唾を吐きかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたき続けた。
27:31 このようにイエスを侮辱したあげく、外套を脱がせて元の服を着せ、十字架につけるために引いて行った。

26節には、「そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した」と記されています。この鞭打ちは十字架につけられる者の死を早めるための鞭打ちです。この鞭には金属片が付けられており、皮や肉を裂いたと言われています。中には、この鞭打ちで死んでしまう者もいました。そのような鞭打ちを受けてから、イエス様は、十字架につけられるために引き渡されたのです。

それから、総督の兵士たちは、イエス様を総督官邸に連れて行き、部隊の全員をイエス様の周りに集めました。このとき、総督官邸は、神殿の北に位置するアントニア要塞にあったと考えられています。その総督官邸には、エルサレムの秩序を守るために600人ほどからなる歩兵部隊がいました。

その部隊の全員をイエス様の周りに集めたのは、これから「ユダヤ人の王」として処刑されるイエス様を嘲り、なぶりものにするためです。総督の兵士たちは、王様を部隊全員が出迎えるように、部隊全員をイエス様の周りに集めたのです。

そして、イエス様の着ている物をはぎ取り、自分たちの着ている赤い外套(マント)を着せ、茨で冠を編んで頭に乗せ、また右手に王の権威を表す杖として葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って侮り、辱めたのでした。

祈り

天の父なる神様、罪のない神の御子であるイエス・キリストは、鞭で打たれ、あざけられ、辱められて十字架につけられました。マタイによる福音書26章52節以下には、弟子の一人がイエス様を捕らえに来た時、剣で兵士の耳を切り落とすという事がありました。その時イエス様が言われた言葉は、「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」という言葉でした。阻止することも出来たのに自ら十字架に向けて歩んでくださったイエス様の恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。