6:8 さて、ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。

これまで、「不思議な業としるし」を行うことは、使徒たちに限られておりましたが、ここでは、ステファノも不思議な業としるしを民衆の間で行っていたと言われています。5節に、選ばれた7人のリストが記されていますが、ステファノだけ、わざわざ「信仰と聖霊に満ちている人ステファノ」と記されているように、ステファノは、もともと不思議な業としるしを行うことのできたと考えることも出来ます。

ステファノをはじめとする7人は、もともとは食卓の奉仕のために立てられた者たちでした。現在の教会に当てはめて言えば、執事職の起源をここに見い出すことができます。そのステファノが不思議な業としるしを民衆の間で行っていたというのですから、これはおそらく、様々な病や汚れた霊に悩まされた人々を癒す、癒しの業ではなかったかと思われます(使徒5:16)。

使徒たちが祈りと御言葉の奉仕に専念するために、食卓の奉仕をはじめとする執事的な働きは、この7人に委ねられることになりました。それに伴って、天におられる主イエス・キリストは、この7人に、その職務を十分果たせるよう、聖霊の賜物をお与えになられたのです。

祈り

天の父なる神様、ステファノは、「恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行う」ことが出来る人でした。神の聖霊に満たされてこの働きを行うことが出来ました。彼はキリスト教会における最初の殉教者となるのですが、そのように大胆に主のわざを行う人々を起こしてお導きくださるあなたの恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。