マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」ルカによる福音書1章38節  

神は、イスラエルに、啓示によってやがてメシアを遣わすという約束を与えていてくださいましたが、具体的に、その約束がどのように実現していくのかは、まだ明らかにはなっていませんでした。

多くのユダヤ人たちが期待していたのは、力をもって外国からの支配から自分たちを解放してくれる勇ましい救い主、というイメージだったように思われます。主イエスがお生まれになる以前にも、武力をもってイスラエルを解放しようとする動きもありました。

主イエスがお生まれになる当時のイスラエルは、ローマ帝国の支配のもとにおかれていましたから、メシア(救い主)は、武力をもってそうした支配からユダヤ民族を解放してくださるに違いないと、多くの人々は考えていたのです。

ところが、田舎育ちの貧しい女性であるマリヤに告げられた天使の言葉は、多くの人々の想像を覆すものでした。『マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。』(ルカ1:30~33)  

これを神からの言葉として受け止めたマリヤは、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(ルカ1:38)と答えて、主の御心が行われるようにそのことを受け入れるのです。  

祈り  

天の父なる神様、約束の救い主がお生まれになった時、それを心から喜び祝ったのは、ごくわずかな人たちでした。マリヤのように、あなたのご意志をそのままに受け入れるものとならせてください。 イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。