27:3 そのころ、イエスを裏切ったユダは、イエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとして、
27:4 「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言った。しかし彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」と言った。
そのころ、イエス様を裏切ったユダは、イエス様に有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとして、こう言いました。「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」。
ここで「イエス様に有罪の判決が下ったのを知って」とありますが、ユダの言葉から推測すると、ユダはイエス様は捕らえられても無罪になると思っていたのではないかと思われます。ところが、イエス様に死刑の判決が下ったことを知ったとき、彼は後悔の念に駆られたのです。
「後悔」とは、「前にした事を後になって悔いること」です。何であんなことをしてしまったのだろうとユダは自分で自分を責めて、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとしたのです。この銀貨三十枚は、ユダがイエス様を引き渡す対価として祭司長たちから受け取ったものです。
26章14節から16節には、「そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、『あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか』と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた」と言われています。
ユダは、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返すことにより、自分がしてしまったことをないことにしたいと願ったのです。ユダは、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに差し出しながら、「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言いました。
ユダは最高法院の議員たちがイエス様を捕らえ殺そうとしていることを知っておりながら、イエス様を彼らの手に引き渡したのです。ユダはイエス様を銀貨三十枚で売ったのです。それはユダにとって些細なことであったのだと思います。ユダは最高法院の議員たちがイエス様を捕らえるのに良い機会を提供しただけです。彼が実際にしたことは、大勢の群衆を引き連れて来て、イエス様に接吻したことだけです。
しかし、イエス様に死刑の判決がくだったことを知ったとき、彼は自分がしたことを後悔したのです。彼は自分がしたことが、結局は、「罪のない人の血を売り渡す」という罪であったことに気づいたのです。「罪のない人」とはイエス様のことです。ユダは、これまでイエス様の弟子として寝食を共にしてきながら、イエス様は罪のないお方だという事を自覚していました。
これに対して、最高法院の人たちはユダにこう答えました。「我々の知ったことではない。お前の問題だ」。最高法院の議員たちは、ユダの罪の告白を受けて、イエス様の裁判をやり直すようなことはしませんでした。また、ユダの罪を裁くこともしませんでした。彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」とユダを突き放したのです。
祈り
天の父なる神様、イスカリオテのユダは、銀貨30枚でイエス様を売り渡すようなことをしましたが、そのような企ての背後にはサタンの誘惑があったと思われます。サタンはうまくやったと思ったのでしょうが、このことの背後にはすべてのことを益としてくださる神様の御手があったに違いありません。あなたの御名をほめたたえます。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。