7:36 この人がエジプトの地でも紅海でも、また四十年の間、荒れ野でも、不思議な業としるしを行って人々を導き出しました。
7:37 このモーセがまた、イスラエルの子らにこう言いました。『神は、あなたがたの兄弟の中から、わたしのような預言者をあなたがたのために立てられる。』
ステファノは、ここで、モーセを「この人」と呼んでいます。37節には「このモーセ」と記されていますが、元の言葉を見ますと、「この人」となっています。36節に「この人」とあり、37節にも「この人」とあり、38節にも「この人」と、3度に渡って「この人が」とたて続けに語られているのです。ステファノは、イスラエルの民が拒絶したまさに「この人が」と強調して語っているのです。
モーセはエジプトの地でも紅海でも、また四十年の間、荒れ野でも不思議な業としるしを行って人々を導き出しました。モーセは、エジプトにおいて10の災いのしるしを行い、紅海では、海を二つに分け、荒れ野では、天からのパン、マナを降らせるなど様々な不思議な業としるしを行いました。
そして、同じことが、最高法院がメシア失格として拒んだイエスについても言えるのであります。イエス様は、様々な病を癒し、悪霊を追い出し、目の見えない人を見えるようにし、死人さえもよみがえらせました。また、嵐を静め、5つのパンと2匹の魚で、五千人以上もの人を養われたのです。
神は、イエスを通して行われた不思議な業としるしとによって、この方こそ神から遣わされたメシアであることを証しなされたのでありました(2:22)。そして、今も、使徒たちが行う不思議な業を通して、主イエスが確かに復活し生きておられることを証ししておられるのです。
祈り
天の父なる神様、ステファノの説教は、イスラエル人たちに向けたもので、神が神の民としてイスラエルを選び、エジプトの奴隷状態であった彼らを解放し、荒野の旅においても、生きるために必要なものを与えて導かれたことが告げられています。神はその後もモーセのような預言者を起こして、神に聞き従って生きることが出来るように彼らを導かれたのでした。今も同じように神に従う人々を世界中に起こして下さり、お導きくださる恵みを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。