キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、――この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、御子に関するものです。御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。ローマ1:1~4

神の福音のために選び分けられ、使徒として召されたキリスト・イエスのしもべパウロ、この福音は、神がその預言者たちを通して、聖書において前から約束されたもので、御子に関することです。御子は、肉によればダビデの子孫として生まれ、聖い御霊によれば、死者の中からの復活により、大能によって公に神の御子として示された方、私たちの主イエス・キリストです。

 

今日から、ローマの信徒への手紙よりみことばに聞いていきたいと思います。

初めの部分はパウロからローマの教会の信徒の方々への挨拶から始まります。しかし、これは単なる挨拶ではなく、最初の短い文章の中に、福音とイエス・キリストの関係について、そして、神の御子である主イエスに注目させようとしていることが分かります。

 

パウロはこの手紙の最初において、「キリスト・イエスのしもべ」という言葉をもって書き出しました。「神のしもべ」は、旧約聖書によれば、神への信仰をもって忠実に歩み続けた人のことを指しています。不信仰な人や神との関係が希薄な人は、神のしもべとは言いません。アブラハム、モーセ、ダビデのような尊敬される人たちが、旧約聖書では「神のしもべ」と呼ばれるのです。

 

「イエス」という名はギリシャ語の「ヨシュア」で「主」を意味しており、「キリスト」はギリシャ語の「メサイア」で日本語で言えば「救い主」という意味の言葉です。「イエス・キリスト」という名前は、「主は救い主」という意味になります。「ヨシュア」と名付けられたのは、キリストはご自分の民をその罪から救ってくださるからです。

 

日本でもこの時期になると、ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイア」が公演されることがありますが、ヨーロッパの国々などでは、長年の間、至る所で講演がなされ、キリストについての預言、キリストの誕生、受難、復活、そして復活後のハレルヤコーラスが多くの人々に聞かれています。

 

次に、「使徒として召された」と言われています。これは、神が、私に、この責任を与えてくださったという宣言です。「この責任を私は自分で勝手に持ったのではない。だから、私がこの手紙を書く時に、ただ個人として書いているのではない。主イエス・キリストに任命された使徒として、キリストの権威をもってあなたがたに神ご自身の御言葉を伝えているのだと彼は語っているのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、クリスマスを覚えながら、イエス・キリストの誕生の意味を思い起こしながらみことばを聞き、祈るひとときを与えられますことを心より感謝いたします。

主イエスによって使徒として召されたパウロが、ローマの教会に宛てた手紙を通して、イエス・キリストの福音の真髄を教えていただきますことを、心より感謝いたします。

この手紙を通して、あなたが私に語ろうとしておられる救いの恵みを、理解し、自分のものとすることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。