9:9 イエスはそこをたち、通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。

 

当時、イスラエルは、ローマ帝国によって支配されていました。人々は、ローマに税金を納めなければなりませんでしたが、それを一手に引き受けていたのが、徴税人たちでした。ローマ帝国ではユダヤ人たちから税金を徴収する場合に、ローマ人ではなくユダヤ人を採用しました。彼ら徴税人たちは、ローマ帝国から、これだけの税金を集めなさいという指示を受け、そして、その定められた金額以上の税金を徴収し、その差額を自分たちの収入としていたのです。

 

このため、徴税人たちは、お金はたくさん手に入れることが出来ましたが、ユダヤ人たちからは売国奴、罪びとと呼ばれて嫌われていたのです。イエス様はそのような徴税人であるマタイに対して、「わたしに従いなさい」と言われて、マタイはイエス様に従っていったのです。

 

「マタイという人が」、とありますが、「マタイによる福音書」を書くことになった当の本人です。イエス様の弟子となったマタイにとって、自分があのイエス様と出会った、忘れもしないあの出来事、あの感動の場面であったはずです。この出来事がマタイにとっては、人生の大変革の時となりました、罪ある私のようなものをイエス様は招いて下さった。私たちも罪ある者、神に背き続けてきたようなものですが、そんな私たちをイエス様は招いてくださるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたの御子であるイエス・キリストを遣わし、罪を犯し、神に背いているような私たちを招いてくださる恵みを感謝いたします。あなたの豊かな恵みにお応えしていくことが出来ますように。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。