42:6 ところで、ヨセフはエジプトの司政者として、国民に穀物を販売する監督をしていた。ヨセフの兄たちは来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝した。
42:7 ヨセフは一目で兄たちだと気づいたが、そしらぬ振りをして厳しい口調で、「お前たちは、どこからやって来たのか」と問いかけた。彼らは答えた。「食糧を買うために、カナン地方からやって参りました。」
42:8 ヨセフは兄たちだと気づいていたが、兄たちはヨセフとは気づかなかった。
42:9 ヨセフは、そのとき、かつて兄たちについて見た夢を思い起こした。ヨセフは彼らに言った。「お前たちは回し者だ。この国の手薄な所を探りに来たにちがいない。」
42:10 彼らは答えた。「いいえ、御主君様。僕どもは食糧を買いに来ただけでございます。
ヨセフは、飢饉が続く中で、カナンにいるヤコブの家族たち、自分をエジプトに売り渡した兄たちがエジプトに来るに違いないということも分かっていたと思います。兄たちがやってきたらどのように対応しようかと考えていたこともあるでしょう。
もちろんヨセフはヤコブの家族に食料を分けてやることが主の御心であることも知っていたでしょう。しかしここで兄たちを試すとともに、兄たちとの関係を回復したいと願っていたと思います。そのために、ヨセフは、兄たちに「お前たちは回し者だ」といって彼らの真相を尋ねていくのです。
兄たちがやってきたとき、ヨセフはすぐに分かりましたが、兄たちは彼がヨセフであることなどとても考えつかないことでした。兄たちはヨセフの前に出てひれ伏したとき、かつてヨセフが見た夢が実現したことが分かります。
祈り
天の父なる神様、不和の中にあった兄たちとヨセフの関係でしたが、あなたは不思議な出会いを通して、彼らの出会いの場を設けてくださり、彼らの信仰を導いてくださいます。私たちもあなたの御心にそぐわない関係があるならば、悔い改めて、良き関係を持つことが出来るようにお導きください
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。