3:21 このイエスは、神が聖なる預言者たちの口を通して昔から語られた、万物が新しくなるその時まで、必ず天にとどまることになっています。
「万物が新しくなるその時」と訳されている言葉は、様々な翻訳が試みられる言葉です。口語訳聖書は「万物更新の時」と訳しています。新改訳聖書、文語訳聖書は「万物の改まる時」と訳されています。他にも「万物一新の時」「万物が再建される時」と訳している方もあります。
これらを併せて見ると、「万物が新しくなるその時」とは、「終末において完成する創造の秩序の回復の時」と言うことができます。ローマの信徒への手紙8章18節から25節には次のように記されています。
現在の苦しみは、将来わたしたちに現されるはずの栄光と比べると、取るに足りないとわたしは思います。被造物は、神の子たちの現れるのを切に待ち望んでいます。被造物は虚無に服していますが、それは、自分の意志によるものではなく、服従させた方の意志によるものであり、同時に希望を持っています。つまり、被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。被造物だけではなく、霊の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。わたしたちはこのような希望によって救われているのです。見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか。わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。
このように聖書は、今のこの世においては様々な困難がありますが、将来わたしたちに現されるはずの栄光という希望を持ちながら今を生きることを教えています。
祈り
天の父なる神様、罪のうちにある私たちを、イエス・キリストによる救いの御業によってお救い下さり、信仰によって復活の命に生きる者としてくださる恵みを感謝いたします。あなたが与えて下さる希望を持ちながら、この世の人生をあなたのみこころにかなう人生として生きることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。