21:28 「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。

 21:29 兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。

 21:30 弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。

 21:31 この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。

 21:32 なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」

 

イエス様は、祭司長や長老たちに、「二人の息子のたとえ」を話されました。「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか」と尋ねておられます。

 

彼らはすぐ「兄の方です」と答えました。「『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた兄の方が、父の意志を行った」と彼らは答えました。そのような彼らに、イエス様はこう言われます。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった」。

 

祭司長や長老たちは、「徴税人や娼婦たち」を罪人と呼び、神の国と関わりのない者たちと見なしていました。しかし、イエス様はその「徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう」と言われるのです。それは、「徴税人や娼婦たち」が兄息子のようだからです。

 

「父」は神様を指していますが、徴税人や娼婦たちは、父の命令である神の掟に従わない者たちでした。徴税人は決まった金額以上を取り立てていましたので、泥棒と同じように思われていました。徴税人は「盗んではならない」という掟に違反していたのです。娼婦は「売春を業とする女」のことですから、「姦淫してはならない」という掟に違反していたのです。そのような徴税人や娼婦たちを、神の国と関わりが無いと考えたのは、よく分かることです。

 

しかし、イエス様はその「徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう」と言われるのです。なぜなら、ヨハネが来て示した義の道を祭司長たちや長老たちは信じなかったのに、徴税人や娼婦たちは信じたからです。そのようにして、徴税人や娼婦たちは神の御意志を行ったのです。ここで前提とされていることは、ヨハネが神から権威を与えられて遣わされた者であるということです。

 

しかし、弟息子に譬えられる祭司長たちや長老は、父の命令である神の掟を守ると言いながら、神から権威を与えられて遣わされたヨハネを信じませんでした。そのようにして、彼らは神の御意志を行わなかったのです。このたとえ話でも実は「権威」が問題となってします。その父の権威に従ったのはどちらの息子かということがここで問われているのです。

 

そして、イエス様は、神の権威を認め受け入れたのはあなたたちではなく、ヨハネを信じた徴税人や娼婦たちであると言われたのです。ですから、彼らの方が先に神の国、神の王的御支配に入ると言われたのです。彼らは神の権威に従い神の御意志を行う者として、神の国に入るのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、二人の兄弟のたとえを用いて、信仰生活のあり方について教えていただき、ありがとうございます。口先ではあなたを敬うが心は離れているようなあり方ではなく、まごころからあなたを愛し、あなたの御心に生きる者とならせてください。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。