4:8 そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った。「民の議員、また長老の方々、
4:9 今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということについてであるならば、
8節には、「そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った」と記されています。これは、かつてイエス様が弟子たちに約束されていたことが実現したことを教えています。イエス様はルカによる福音書12章11節で、「会堂や役人、権力者のところに連れて行かれたときは、何をどう言い訳しようか、何を言おうかなどと心配してはならない。言うべきことは、聖霊がそのとき教えてくださる。」と言われました。
この主イエスの約束通り、ペトロは聖霊に満たされてこう語り出すのです。「民の議員、また長老の方々、今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する良い行いと、その人が何によって癒されたかということについてであるならば、あなたがたもイスラエルの民全体も知っていただきたい。」
ここで議員と言われているのは、「指導者たち」「祭司長たち」のことです。ここで、ペトロは、祭司長たちと長老たちに呼びかけているのです。ここで先ずペトロは、自分たちが取り調べを受けているその理由を明らかにしようとしています。そして、それを「病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということ」と捉え直すのです。
このペトロの言葉には、自分たちを捕らえ、裁こうとする権力者たちへの非難が込められています。つまり、自分たちは、裁かれるような悪いことは何一つしていない。それどころか、彼らが為したことは、生まれながらに足の不自由な男を完全にいやすという良い行いだったのです。ここで、「いやされた」と訳されている言葉は、「救われた」とも訳すことができます。
この9節は、「その人が何によって救われたかについてであるならば」こう訳すことができるのです。ペトロは、足の不自由な男が、自分の足で立ち、歩けるようになった、ということに留まらず、この男を全人的に救ったお方について、これから述べようとしているのです。
祈り
天の父なる神様、ペトロの説教によって、イエス・キリストを十字架につけ、今度は使徒たちを尋問しようとする議員たちに対して、神様の救いの御業がこの男の人にももたらされたことが語られました。このように大胆にあなたの福音を伝える弟子たちの働きによって、福音が宣べ伝えられたことを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
