まず初めに、イエス・キリストを通して、あなたがた一同についてわたしの神に感謝します。あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです。わたしは、御子の福音を宣べ伝えながら心から神に仕えています。その神が証ししてくださることですが、わたしは、祈るときにはいつもあなたがたのことを思い起こし、何とかしていつかは神の御心によってあなたがたのところへ行ける機会があるように、願っています。ローマ1:8~10
まず第一に、あなたがたすべてのために、私はイエス・キリストによって私の神に感謝します。それは、あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです。私が御子の福音を宣べ伝えつつ霊をもって仕えている神があかししてくださることですが、私はあなたがたのことを思わぬ時はなく、いつも祈りのたびごとに、神のみこころによって、何とかして、今度はついに道が開かれて、あなたがたのところに行けるようにと願っています。(新改訳)
この手紙が書かれた頃は、ローマ帝国の領土が全世界というイメージを多くの人が抱いており、数々の迫害を経験しながらもキリストの教会は、急速に信徒の数が増大し、ローマ帝国全体に福音が伝えられるようになっていきました。
当時の迫害がどれほど激しいものであったかという資料が残されていますが、パウロ自身も、キリストの福音を伝えたために、数々の試練に遭遇したことを記しています(1コリント11章参照)。にもかかわらず、福音が世界中に伝えられるようになり、パウロはこの働きに召されたことを心から感謝しているのです。
パウロは、私たちの誰もが遭ったこともない、そして生涯遭うこともないような大変な試練を受けていました。実際に肉体の苦痛を覚える迫害もたくさん受けました。食べる物がなく、着る物もなく、ひどい寒さに凍えながら宣教の旅を続けたのです。あらゆる試練と困難の連続の中にあるのに、常に神に感謝をささげていたのです。
何に対して感謝しているかといえば、ローマの教会の人たちの忠実な信仰を見聞きして、感謝しているということができます。ローマ書16章19節でも「あなたがたの従順は皆に知られています。だから、わたしはあなたがたのことを喜んでいます。」と述べています。私たちも、例えば、ロシアや中国などにおいてクリスチャンたちが忠実に、真実に、真心をもって神と人々に仕えている姿を見るとき、励まされ、感謝を覚えるのではないでしょうか。
祈り
天の父なる神様、あなたのお恵みによって、信仰を与えられ、心から神をたたえ、神の御子の誕生を、私のこととして祝い喜ぶことが出来ますことを心より感謝いたします。
ローマの教会に限らず、初代の教会は、迫害の中で、確かな信仰をもって伝道と教会形成のために励んでいきましたが、これは彼ら自身の努力や能力によるものではなく、神の恵みによることをパウロも強調しています。
私たちもあなたの恵みのうちに、生涯、確かな信仰をもって歩み続けるものとならせてください。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。