福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。ローマ１：１７

なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、その義は、信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる。」と書いてあるとおりです。（新改訳）

 

この16～17節はローマ人への手紙全体のテーマを伝えている箇所です。16節で、神の救いの力が福音の中にあるとパウロは言いましたが、どうして福音には神の救いの力があるのか。福音の中にどんな特別なことがあるのか。そのことをパウロは17節で宣言しています。福音は神の義についてのメッセージである故、神の力が福音のうちに啓示されているのです。

 

福音が解決しなければならない問題とは、「公正」と「義」の問題です。特に、それは「義なる神は、いかにして罪深い人間の罪を赦し、しかも、ご自身が義であり得るのか」という問題なのです。神が如何に愛の神だからといって、罪ある者、不正を働くものを、そのままで赦したり、救ったりすることはできません。

神は聖なる方であり、義なる方です。この神の前には、どの人も自らの罪を覚えずにはいられないのです。

 

パウロはここで、ハバクク書にある、「義人は信仰によって生きる」という語を引用しています。罪のない人はいませんが、聖書に出てくる義人といわれる人たちは皆、信仰によって生きた人たちでした。信仰によって罪を赦され、さらに言えばイエス・キリストの贖いのみ業のゆえに義とされた人たちだったのです。

 

クリスチャンは、初めから終りまで信仰のみによって歴史の中にあって生きるものです。そういう意味で、クリスチャンの生き方は、ひたすら神を信じて、神を待ち望む。神に全く信頼して歩むのです。神の知恵は私たちの知恵を遥かに越えるものであることを信じて歩むのです。信仰は、高い学識や深い理解や悟りがなければ得られないものではありません。信じるとは、相手に依り頼むということに他ならないのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、今日は、「義人は信仰によって生きる」というみことばを聞きました。あなたの前に罪を持たない人、すなわちそのままで義と認められる人は一人もありません。しかし、あなたは罪をもっている私たちを救うために主イエスを遣わし、罪の贖いを成し遂げてくださいました。私たちはただこのキリストのあがないのゆえに、信仰によって罪を赦され、義と認められる道を拓いてくださいました。信仰によって義とされる道がわたしたちにも拓かれていることを覚えて、この福音を多くの方々と分かち合うことが出来ますようにお導きください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。