12:33 「木が良ければその実も良いとし、木が悪ければその実も悪いとしなさい。木の良し悪しは、その結ぶ実で分かる。
12:34 蝮の子らよ、あなたたちは悪い人間であるのに、どうして良いことが言えようか。人の口からは、心にあふれていることが出て来るのである。
12:35 善い人は、良いものを入れた倉から良いものを取り出し、悪い人は、悪いものを入れた倉から悪いものを取り出してくる。
イエス様は、この言葉をファリサイ派の人々に対して語っております。24節でファリサイ派の人たちは、「『悪霊の頭ベルゼブルの力によらなければ、この者は悪霊を追い出せはしない』と言った」と言いました。
彼らに対してイエス様は、「木が良ければその実も良いとし、木が悪ければその実も悪いとしなさい。木の良し悪しは、その結ぶ実で分かる。蝮の子らよ、あなたたちは悪い人間であるのに、どうして良いことが言えようか」。と言われました。
「木」は「人」であり、「その実」は「その人が語った言葉」です。「悪霊の頭ベルゼブルの力によらなければ、この者は悪霊を追い出せはしない」という聖霊を冒涜する言葉は、ファリサイ派の人々が悪い人間であることを表しているのです。
「蝮の子らよ」という激しい言葉は、バプテスマのヨハネがファリサイ派の人々に対して語った言葉でもあります。3章7節でヨハネは、「ファリサイ派やサドカイ派の人々が大勢、洗礼を受けに来たのを見て、こう言った。『蝮の子らよ、差し迫った神の怒りを免れると、だれが教えたのか』」と記されています。
さらに、「蝮の子らよ」という言葉は、創世記の3章に登場する蛇(サタン)を思い浮かべることも出来ます。蛇はアダムとエバを誘惑して罪を犯させましたが、3章11節以下には次のように記されています。
「アダムは答えた。「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」主なる神は女に向かって言われた。「何ということをしたのか。」女は答えた。「蛇がだましたので、食べてしまいました。」主なる神は、蛇に向かって言われた。「このようなことをしたお前は/あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で/呪われるものとなった。お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に/わたしは敵意を置く。彼はお前の頭を砕き/お前は彼のかかとを砕く。」(創世記3:11~15)
15節に、「お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に、わたしは敵意を置く。彼はお前の頭を砕き、お前は彼のかかとを砕く」とあります、「お前」と言われているのは悪魔のことであり、「女の子孫」は聖霊によっておとめマリアからお生まれになったイエス・キリストです。
「蛇の子孫」は、今日の御言葉によれば、聖霊に言い逆らうファリサイ派の人々です。イエス様に対して、「この者は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言うファリサイ派の人々は、悪魔の支配下にある蝮の子らであるということが出来ます。
祈り
天の父なる神様、蛇の子孫と女の子孫との対立はすでに預言されていたことですが、女の子孫としてお生まれになったイエス・キリストの恵みを心より感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。