19:16 さて、一人の男がイエスに近寄って来て言った。「先生、永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか。」

 

一人の男がイエス様のところにやってきて質問をしました。「先生、永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか。」この男は20節以下を見ると「青年」であり、「たくさんの財産を持っていた」ようです。

 

まだ若いのですから、この財産は自分で築いたというよりも、親から譲り受けたものであると思われます。この青年は、裕福な家に生まれ、育ったのです。この青年が「永遠の命」について語るとき、当時の聖書である旧約聖書の教えを前提としています。

 

聖書において、命の源は神様であり、神様こそ永遠の命を持っておられるお方です(申命32:40参照)。ですから、「永遠の命を得る」とは、「永遠の命である神様との完全な交わりに入ること」を意味しています。

 

人間は罪を犯したために神様との関係が損なわれているのですが、ダニエル書などを読むと、そのような人間がやがてどうなるのかという事が預言されています。ダニエル書12章1節から3節には次のように記されています。

 

 その時、大天使ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する。その時まで、苦難が続く/国が始まって以来、かつてなかったほどの苦難が。しかし、その時には救われるであろう/お前の民、あの書に記された人々は。多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。ある者は永遠の生命に入り/ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる。目覚めた人々は大空の光のように輝き/多くの者の救いとなった人々は/とこしえに星と輝く。

 

 「ある者は永遠の生命に入り/ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる。」と言われています。この青年がイエス様に、「永遠の命」について尋ねたとき、このダニエル書の御言葉が念頭にあったと思われます。この青年は、自分が死んだ後も永遠の命に生きることを切実に願っていて、この問いをイエス様に投げかけたのでした。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたとの関係が損なわれてしまった私たちは、自分の力や努力によってそれを回復することのできないものですが、あなたの方から、イエス・キリストによって救いの御業を実現してくださる恵みを感謝いたします。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。