14:15 夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう。」
14:16 イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」
14:17 弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」
14:18 イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、
14:19 群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。
14:20 すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。
14:21 食べた人は、女と子供を別にして、男が五千人ほどであった。
イエス様は、大勢の群衆に対して病人を癒されたり、み言葉を語ったりしておりましたが、夕暮れになったので、弟子たちはイエス様のそばに来てこう言いました。「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう」。
人里離れたところでもう日も傾いてきました。この弟子たちの言葉はもっともな言葉です。しかし、イエス様はこう言われるのです。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい」。
弟子たちは群衆を去らせようとするのですが、イエス様は「行かせる必要はない」と言われるのです。そして、弟子たちに、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」と言われるのです。これを聞いて弟子たちは、「ここにはパン五つと魚二匹しかありません」と答えたのです。
これはおそらく、イエス様と弟子たちの御弁当、晩御飯であったと思われます。パンと魚の干物は、当時の一般的な食べ物でした。当然のことですが、パン五つと魚二匹では、大勢の群衆を養うことなどできません。しかし、イエス様は、「それらをここに、わたしのところに持って来なさい」と言われ(岩波訳参照)、群衆には草の上に座るようにお命じになりました。
そして、イエス様は、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになり、弟子たちはそのパンを群衆に与えたのです。五つのパンと二匹の魚が、不思議なことにどんどん増えていって、男だけで5000人ですから、女性や子供もいたことを考えると1万人以上もの人々が食べて満腹になったと言われています。
さらに、残ったパンの屑を集めると、十二のかごいっぱいになったのです。イエス・キリストがどのようなお方であるのか。身をもって教えてくださった事の一つです。
祈り
天の父なる神様、1万人以上もの人々を養って下さるこの出来事を通して、あなたが私たちを今日も養い、支えてくださる命の主であることを教えてくださいました。新しく生まれるいのちの尊さを覚えつつ、感謝をもってあらゆる命あるものを大切にして生きることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。