4:33 使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。
4:34 信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、
4:35 使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。
29節、30節で、御言葉を大胆に語ること、イエスの名によって、しるしと不思議な業が行われることが祈られていましたが、主はその祈りに答えられ、大いなる力をもって使徒たちの上に臨んでくださり、主イエスの復活を証しさせてくださいました。
また、使徒たちだけでなく、皆の上に、大きな恵みを注いでくださったのです。新共同訳聖書は、「皆、人々から非常に好意を持たれていた」と訳していますが、このところは、文語訳聖書、口語訳聖書、新改訳聖書、どの翻訳聖書を見ても「大きな恵みが一同のうえにあった」と訳されています。
もとの言葉には、「人々から」という言葉はありませんので、「大きな恵みが一同のうえにあった」との翻訳のほうがよいと思います。34節に、「信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。」とありますが、これは、一同のうえにあった恵みがどれほど大きいかを表しているものです。
大きな恵みが一同のうえにありました。それは一人も貧しい人がいないほどだったのです。そして、ここに、旧約聖書の約束が実現していることをルカは私たちに教えているのです。申命記15章4節、5節には、「あなたの神、主は、あなたに嗣業として与える土地において、必ずあなたを祝福されるから、貧しい者はいなくなるが、そのために、あなたはあなたの神、主の御声に必ず聞き従い、今日あなたに命じるこの戒めをすべて忠実に守りなさい。」と言われています。
このように見て来ると、神の祝福と、貧しい者がいなくなることがセットになっていることが分かります。神様の祝福のあるところには貧しい者がいなくなる、それほどの祝福なのです。それは、あなたがたが主の御声に聞き従うことによって実現されるのであります。つまり、貧しい人に惜しみなく貸し与えるという仕方でそれは実現するというのです。
祈り
天の父なる神様、イエス・キリストへの信仰に導かれた人々には「大きな恵みが一同のうえにあった」と言われています。あなたによる大きな恵みの内を歩み続けることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。