13:10 弟子たちはイエスに近寄って、「なぜ、あの人たちにはたとえを用いてお話しになるのですか」と言った。

 13:11 イエスはお答えになった。「あなたがたには天の国の秘密を悟ることが許されているが、あの人たちには許されていないからである。

 

「なぜ、あの人たちにはたとえを用いてお話になるのですか」。この弟子たちの質問は、たとえが、必ずしも分かりやすくするためのものではなく、謎のような面もあったことを教えています。

 

私たちは、たとえとは、分かりやすく説明するためのものであると考えがちですが、聖書においてたとえは、もっと幅の広い意味をもっております。聖書において、たとえは、教訓や比喩や謎をも意味する言葉であるのです。

 

「なぜ、あの人たちにはたとえを用いてお話になるのですか」という質問に対して、イエス様はこうお答えになりました。「あなたがたには天の国の秘密を悟ることが許されているが、あの人たちには許されていないからである」。

 

ここでイエス様は、弟子たちと群衆とを明らかに区別しておられます。弟子たちとは、イエス様の言葉を聞いて、イエス様に従う決心をした者たちです。他方、群衆とはイエス様の言葉を聞いて驚いても、イエス様に従う決心をしない者たちです。

 

群衆は、興味本位からイエス様のもとに集まって来ますけれども、彼らは自分を変えようとはしないのです。イエス様の言葉を聞いて、なぜ、ある人はイエス様の弟子となり、ある人は群衆として留まるのでしょうか?イエス様は、神様が弟子たちには天の国の秘密を悟ることをお許しになったのに対して、群衆にはそれを許されなかったからだと言うのです(1025参照)。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたのお許しがなければ、私たちはみ言葉を理解することも、あなたが与えて下さった救い主を信じて従うことも出来ない者です。あなたの恵みのうちに主と共に歩むことのできる幸いを感謝いたします。

イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。