19:5 イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」

19:6 ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。

19:7 これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」

 

イエス様に会いたいと思って、木に登っていたザアカイに対して、イエス様は驚きの言葉をかけられました。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」

 

ザアカイは、お金持ちにはなりましたが、ユダヤ人同胞たちからは嫌われ者であり、親しく言葉をかけてくれる人などなかったと思われます。それは、「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」とつぶやいた人々の言葉からも分かります。

 

その当時イスラエルはローマ帝国の植民地のような立場にあり、ローマ帝国では税金を徴収するためにユダヤ人にその役目を依頼しましたが、依頼する時に、税金は10%を納めるように命じられましたが、実際に徴収する額は好きなようにしてよいということにして徴税人を雇っていったのです。

 

このため、徴税人として雇われた人は、20%、30%、40%というようにたくさんのお金を徴収して、10%はローマ帝国に納めますが、残りのお金はすべて自分たちの懐に入れたのです。

 

ザアカイは、徴税人の頭として、多くの徴税人たちを使って、ユダヤ人たちからお金を徴収していましたから、ユダヤ人たちからは嫌がられ、売国奴、罪人と言われていたのです。

 

それが、イエス様の方からこのような言葉を聞いて、「ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。」と言われています。イエス様は、ザアカイの心持をご存知の上で、このように彼を招かれたのだと思います。

 

祈り

 

天の父なる神様、徴税人のザアカイの思いをくみ取って、彼の家に泊まられたイエス様は、その時どんなことをお語りになったかは書いてありませんが、罪人が救われるという福音の恵みを教えられたのではないかと思います。ザアカイはこのことによって自らの罪を悔い改め、神の御心を求めて生きるようになりました。あなたの恵みを心より感謝いたします。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。