7:1 大祭司が、「訴えのとおりか」と尋ねた。
ステファノは捕らえられ、最高法院へと引いて行かれました。ステファノと議論し、歯が立たなかったヘレニストのユダヤ人たちは、民衆、長老たち、律法学者たちを扇動してステファノを襲って捕らえ、最高法院へと引いて行き、偽証人を立てて、次のように訴えさせたのです。
「この男は、この聖なる場所と律法をけなして、一向にやめようとしません。わたしたちは、彼がこう言っているのを聞いています。『あのナザレの人イエスは、この場所を破壊し、モーセが我々に伝えた慣習を変えるだろう。』」
このように、ステファノは、律法と神殿をけなすものとして訴えられたのです。しかし、ここで「偽証人をたてて」と記されているように、使徒言行録の執筆者であるルカは、ステファノがそのようなものではないことを、読者に教えています。そして、ステファノ自身も、法廷においてそうではないことを旧約の歴史を自分の口で語ることによって主張しているのです。
それもただ自分は無罪であると弁明しているのではなくて、律法を破っているのは、あなたたちの方だと、逆に、最高法院の指導者たちの罪を告発するのです。ステファノの演説の結論部分は、次のようになっています。
51節から53節で、「かたくなで、心と耳に割礼を受けていない人たち、あなたがたは、いつも聖霊に逆らっています。あなたがたの先祖が逆らったように、あなたがたもそうしているのです。いったい、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、一人でもいたでしょうか。彼らは、正しい方が来られることを預言した人々を殺しました。そして今や、あなたがたがその方を裏切る者、殺す者となった。天使たちを通して律法を受けた者なのに、それを守りませんでした。」と言われています。
祈り
天の父なる神様、ステファノは、最高法院の指導者たちの罪を告発し、イエス・キリストこそがまことの救い主、約束されたメシアであることを大胆に主張しました。このようにして聖霊に満たされたこれからも次々に主のみ心を実現する人が起こされてきたことを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。