42:27 途中の宿で、一人がろばに餌をやろうとして、自分の袋を開けてみると、袋の口のところに自分の銀があるのを見つけ、

42:28 ほかの兄弟たちに言った。「戻されているぞ、わたしの銀が。ほら、わたしの袋の中に。」みんなの者は驚き、互いに震えながら言った。「これは一体、どういうことだ。神が我々になさったことは。」

42:29 一行はカナン地方にいる父ヤコブのところへ帰って来て、自分たちの身に起こったことをすべて報告した。

42:30 「あの国の主君である人が、我々を厳しい口調で問い詰めて、この国を探りに来た回し者にちがいないと言うのです。

42:31 もちろん、我々は正直な人間で、決して回し者などではないと答えました。

 

シメオンをエジプトに残して、兄たちは家に帰り、ヤコブに報告しました。

エジプトの指導者から、回し者だと言われたこと。シメオンが今も牢獄に入っていること、ベニアミンを連れて来いと言われたこと。穀物と共に銀がその袋の中に入っていたこと。

 

そうしたことを父親のヤコブに報告しながら、兄たちは、かつてヨセフにしたことを思い出していたに違いありません。エジプトに行ったおかげで、とりあえず家族の生活が支えられたことは確かですが、彼らには後ろめたい思い、後悔が彼らの心の中に深くのしかかっていました。

 

この時点でも兄たちは、かつてヨセフにしたことを正直に父親に話すことは出来ませんでした。しかし、シメオンはエジプトの牢に入れられていますし、飢饉はなお続いていくのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、ヨセフの人生は波乱に富んだものでしたが、あなたはヨセフを用いてイスラエルの家族たちを顧みて、誤りを正し、あなたの御心に従って生きるように、彼ら自身が自ら気が付いていけるように導いてくださいます。私たちの歩みをもあなたと共に歩む歩みとならせてください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。