42:32 我々が十二人兄弟で、一人の父の息子であり、一人は失いましたが、末の弟は今、カナンの地方に住む父のもとにいますと言ったところ、

42:33 あの国の主君である人が言いました。『では、お前たちが本当に正直な人間かどうかを、こうして確かめることにする。お前たち兄弟のうち、一人だけここに残し、飢えているお前たちの家族のために、穀物を持ち帰るがいい。

42:34 ただし、末の弟を必ずここへ連れて来るのだ。そうすれば、お前たちが回し者ではなく、正直な人間であることが分かるから、お前たちに兄弟を返し、自由にこの国に出入りできるようにしてやろう。』」

42:35 それから、彼らが袋を開けてみると、めいめいの袋の中にもそれぞれ自分の銀の包みが入っていた。彼らも父も、銀の包みを見て恐ろしくなった。

 

兄たちはヤコブに、エジプトの支配者であるヨセフの言葉を思い起こしながら、シメオンが牢獄にいることや今度エジプトに行くときにはベニヤミンを連れて行かなければならないことを告げました。

 

ヤコブにとっては、愛するリベカの子供であるヨセフとベニヤミンが最愛の子供でしたが、ヨセフはすでにその家からいなくなっていましたから、ベニヤミンこそが大切な子供でした。ですから、最初兄たちがエジプトに行くときにもベニヤミンを連れていくことをヤコブは許しませんでした。

 

しかし、なお飢饉が激しくなってきて、食料も底をつくようになってきました。もう一度エジプトに行かなければ家族は飢えてしまう中にあっても、父親はベニヤミンを危険な目に合わせないために、エジプトに行かせたくはありませんでした。彼らの苦悩が言葉の端々にうかがわれます。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたの摂理の御手の中でヨセフはエジプトの支配者となりましたが、ヤコブの家族たちは、飢饉に遭遇している中で、なおエジプトに行かなければならない必要を感じて苦しみ悩みました。しかしその悩みの中から、自分自身を振り返り、自らの罪を自覚し、心を開いて家族が真実に愛し合う者となるように導かれていきました。私たちもあなたの御手を信頼して前に向かっていくことが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。