5:12 使徒たちの手によって、多くのしるしと不思議な業とが民衆の間で行われた。一同は心を一つにしてソロモンの回廊に集まっていたが、
5:13 ほかの者はだれ一人、あえて仲間に加わろうとはしなかった。しかし、民衆は彼らを称賛していた。

「使徒たちの手によって」とありますように、イエスの名によるしるしと不思議な業は、ここでは使徒たちに限られています。そして、それはどうやら、彼らがイエス様から与えられた権威と関係があるのです。

イエス様は復活する以前、弟子たちの中からペトロをはじめとする12人を弟子たちの中から選び使徒と名付けられました。ルカによる福音書9章でイエス様は、12人を呼び集め、あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気をいやす力と権能をお授けになり、神の国を宣べ伝え、病人をいやすために使わされました。

使徒とは、使者、使わされた者という意味ですが、これは使わす人の全権を委託されて、いわば名代として使わされるのです。ユダヤの社会では、「使わされた者は、その人を使わしたその人自身である」と考えられていたのです。

使徒たちが、イエスの名によって、多くのしるしと不思議な業とを行っていたこと。これは天に上げられたイエスが今も生きて働いておられることを表すと同時に、12人が、まさしくイエス様の使徒、名代であることを表しているのです。いわば、ここにルカによる福音書の9章に記されていた使徒たちの働きが、より力強く継続されているのです。

祈り

天の父なる神様、使徒たちの働きは聖霊を注がれたイエス・キリストご自身の働きでした。使徒たちの働きは特別のものでしたが、今も聖霊に導かれた人たちを用いてあなたの御業が行われていることを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。