11:5 また、弟子たちに言われた。「あなたがたのうちのだれかに友達がいて、真夜中にその人のところに行き、次のように言ったとしよう。『友よ、パンを三つ貸してください。

11:6 旅行中の友達がわたしのところに立ち寄ったが、何も出すものがないのです。』

11:7 すると、その人は家の中から答えるにちがいない。『面倒をかけないでください。もう戸は閉めたし、子供たちはわたしのそばで寝ています。起きてあなたに何かをあげるわけにはいきません。』

 

真夜中にやってきて、「ご飯を食べさせてください」と言ってやってくる人は、そんなにいるものではありません。教会の牧師をしていると、そうした方が夜中にやってきたこともあります。

 

訪ねてくることはなくても、夜中に電話がかかってくることもあります。「大きな悩みがあって、夜も眠れないので話を聞いていただけませんか。」と言われます。

 

このたとえ話に出てくる人は、『面倒をかけないでください。もう戸は閉めたし、子供たちはわたしのそばで寝ています。起きてあなたに何かをあげるわけにはいきません。』と答えましたが、もしも、この人が、頼んでいる方と同じような立場であったら、その方の痛みや苦しみを自分のことのように思える人であったなら、また違う対応をしたのではないかと思います。

 

戦争を経験した人などは別としても、現代の私たち日本人の多くの人は、自分が飢えたというような経験をしたことがないと思います。けれども、主イエスは、この社会において弱い立場の人々に心を砕き、「『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』」(マタイ25:40)と言われました。

 

祈り

 

天の父なる神様、この社会は、ある意味では弱肉強食といわれるような強いものが権力をもち、弱い者が支配されていくような社会ですが、この世にあって、あなたは最も小さい者のひとりを愛することを教えてくださいました。そのような愛に生きることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。