5:27 彼らが使徒たちを引いて来て最高法院の中に立たせると、大祭司が尋問した。
5:28 「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」

守衛長たちが、使徒たちを引いて来て最高法院の真ん中に立たせると、議長である大祭司は次のように尋問しました。「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」

かつて、ペトロとヨハネを捕らえたとき、決してイエスの名によって話したり、教えたりしてはならないと最高法院は命じていました。最高法院は、ユダヤの最高機関ですから、彼らは、権威をもって、そのことを命じたのです。

しかし、使徒たちは、その警告を拒み、いよいよ大胆に御言葉を語ることができるようにと主に祈り、そして、大いなる力をもって主イエスの復活を証ししていたのです。それが、今やエルサレム中に広がっていきました。エルサレム中に満ちるまでになったというのです。

そして、彼らの教えは、あの男の血を流した責任を最高法院に負わせることでもありました。使徒たちは、「指導者たちが十字架につけて殺したイエスを神が復活させられメシアとなさった。自分たちはそのことの証人である。」と教えていたのです。

これがエルサレム中に広まり、多くの人がこのことを受け入れ、主を信じるならば、自分たちの存在そのものが危うくなるのです。自分たちが処刑したイエスを神がよみがえらせ、メシアとなさったのであれば、最高法院は、実はメシアに逆らう者、しいては神に逆らう者となるのです。

このような教えが広まれば、自分たちにあの男の血の報復が及ぶのではないか。つまり、民衆が反乱を起こし、自分たちに石を投げつけるのではないかと恐れたのです。

祈り

天の父なる神様、ユダヤの最高議会である最高法院は、イエス・キリストを十字架につけて殺害して今いましたが、これは神が約束していたメシア(救い主)を殺害することであり、神に反逆する行為でした。使徒たちは大胆にキリストの福音を宣べ伝えていきましたが、それは時の権力に逆らう事であり、命がけの行為でした。そのようにしてあなたの救いの御業が世界に向かって広がっていったことを感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。