3:4 蛇は女に言った。「決して死ぬことはない。
3:5 それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」

悪魔は、「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」(3:1)と、初めから神がアダムに語られた言葉を正確に伝えるのではなく、むしろそれを疑うような質問をエバに投げかけています。さらに、善悪の知識の木からとって食べると必ず死ぬという神の言葉を否定しています。

食べることを禁じられている者にとって、「それを食べれば」という悪魔の言葉は魅力的に聞こえたようです。悪魔は、人間がこの木からとって食べることによって、神と同じようになることを神は恐れているのだと嘘をついて、罪を犯すように誘惑しています。蛇を通して語られる悪魔の言葉を聞いて、「女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。」(3:6)と言われています。

蛇による誘惑がなければ、人間は罪を犯すことがなかったかもわかりません。罪を犯すことがなければ、人間はそのまま罪も悪も知ることなく、死を経験することもなく、平安と互いの愛のうちにその生涯を歩むようになったに違いありません。

残念ながら私たち人類は、神に背いてそのような恵みからは遠ざけられてしまいました。しかし、そのように罪を犯してしまった私たちのために、神は救い主を送ることによって、アダムに約束されていた至高の祝福の世界をもたらそうとしてくださったのです。

祈り

天の父なる神様、今の私たちも様々な誘惑を受けることがあります。そしてアダムやエバのように、自分のうちに弱さがあり、誘惑に負けてしまうことや罪を犯してしまうこともあるのです。そのような者だからこそあなたが共にいて守り支えてくださる必要を感じます。あなたが私と共にいて、私の考えること、行うことをお導きください。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。