26:17 除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。
26:18 イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」
26:19 弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。

「除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、『どこに過越の食事をなさる用意をいたしましょうか』と言った」と言われています。除酵祭とは、酵母を除いたパンを食べるお祭りで、過越祭と一体的な関係にありました。過越祭の由来については出エジプト記の12章に記されておりましたが、除酵祭の由来についても出エジプト記の12章に記されています。

出エジプト記の12章15節以下には、次のように記されています。「七日の間、あなたたちは酵母を入れないパンを食べる。まず、祭りの最初の日に家から酵母を取り除く。この日から第七日までの間に酵母入りのパンを食べた物は、すべてイスラエルから断たれる。最初の日に聖なる集会を開き、第七日にも聖なる集会を開かねばならない。この両日にはいかなる仕事もしてはならない。それぞれの食事の用意を除く。これだけは行ってもよい。あなたたちは除酵祭を祝わねばならない。なぜなら、まさにこの日に、わたしはあなたたちの部隊をエジプトの国から導き出したからである。」と言われています。

このように神様は、正月(ニサンの月)の十四日の夕方から二十一日の夕方までの七日間、酵母を除いたパンを食べることを命じられました。それは、イスラエルの人々がエジプトから脱出したとき、酵母の入っていないパンを食べたからでした。彼らは急いでエジプトから脱出したので、まだ酵母の入っていないパンの練り粉をこね鉢ごと外套に包み肩に担いだのです。

このように除酵祭は、主がイスラエルの人々をエジプトの奴隷状態から解放してくださったことを祝う祭りなのです。出エジプト記12章の規定によれば、除酵祭の第一日の夕方に、過越の小羊を屠り、その夜に過越の食事を食べることになっていました。ですから、除酵祭の第一日に、弟子たちはイエス様のところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言ったのです。

それに対して、イエス様はこう言われました。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています』」。イエス様は、弟子たちと一緒に過越の食事をするために、ある人と段取りをつけていたようです。

ここでイエス様は、「わたしの時が近づいた」と言われておりますが、これは他でもないイエス様が十字架につけられる時です。これから行われる過越の食事は、まさしくイエス様と弟子たちとの最後の晩餐となるのです。

祈り

天の父なる神様、旧約聖書に教えられていた過ぎ越しの出来事は、イエス・キリストの十字架によって成就されたと言えます。あなたの救いの御業によって、多くの人々がその罪を赦され救いの恵みに与ることが出来ますことを心より感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。