7:57 人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、
7:58 都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。

最高法院の議員たちにとって、イエス・キリストがメシアであると認めることは、自分たちの権威を否定することでした。そればかりか、最高法院の議員たちがより頼んでいる神を裏切り、神によって遣わされた正しい方であるイエス・キリストを裏切り、殺してしまったというステファノの主張は、到底受け入れることの出来ないものでした。

それで、ステファノの、「見よ、天が開けて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」という言葉を聞いたとき、人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかったと言われています。

このステファノの殺害が、怒りに駆られた者たちによるリンチであったのか、それとも法にのっとってなされた処刑であったのかは、議論のあるところです。58節を見ると、「都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。」とありますから、どうやら、怒りに駆られていても、法の手続きを踏まえた処刑だったようです。

石打の刑は、神を冒涜する者への処刑方法でした。イエスをメシアであると証ししたステファノは、最高法院に、神を冒涜した者として処刑されたのです。イエス・キリストもまた、神を冒涜する者であるとして有罪とされたのでした。

祈り

天の父なる神様、最高法院の議員たちには、自分たちの権威を守るために、自分たちが神のようになって人を裁こうとする姿を見ることが出来ますが、これは私たちの内にも同じような思いがあることを教えられます。このような自らの罪を認めつつ、あなたの前にへりくだるものとならせてください。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。